::Traveling 
::Fly Me To U.K. vol.2-2

二の段へ二の段
幕開けは やはり予感の 大騒ぎ
in London

いきなりヘビーなバゲッジを携え、
力尽きたのでヴィクトリアからタクシーに乗る。
ガトウィックので探し、予約したのは、ケンジントンパークの北、
ベイズウォーターにあるパークロッジ・ホテル。
イングリッシュ・ブレックファスト付きで30£。
一人旅だとほんと高くつく。ぐったり疲れたので、
シャワーを浴び、荷物もそこそこにベッドに入る。
 (あー極楽極楽。ねむねむ〜)

到着早々忘れがたき夜。

スタッフはみんないい人ばっかりだった。



Park Lodge Hotel in London

ジジーッ ジジーッ嫌らしいくらい無神経な電話の音に気づく。
 (えー なにぃ〜? だれぇ〜?)
ねむねむモードでありながらも一応、
「ふぇ〜 ハロ〜?」
「%&’$#”@!」
「あぁ?」(語尾を上げてお読み下さい)
「%&’$#”@!FIRE!%&’$#”@!」
「へっ?もっかい言って」
「隣のホテルが火事なんで!貴重品だけ持ち出してすぐ降りてきて下さい!」

なんとっ!

そのころには、廊下では警報があり、起きろ起きろの騒ぎだった。
スエットの上にコートを着て、貴重品そのまま入ったリュックを持ったころ、
ドアをガンガンたたく人あり。
「急いで急いで!」
 (急いでるってばっ)
運悪く7階だったので、降りたころには、螺旋階段酔いの状態だった。
「向かいのホテルで騒ぎがおさまるまで待っていて下さいっ。」
という指示のもと、私を始め、他の混乱気味の泊まり客たちは
わらわらと向かいのホテルに入った。
出てみると、ほんとに隣のホテルから火が出ている!
消防車も駆けつけている!道には人だかり!大騒ぎだった。
でも、とりあえず寒い。2月のロンドン夜更けなんて氷点下になる。
 (うー ぶるぶる)
と震えていたところに天使の声が。

「みなさん、お茶をどうぞー」

でたーっ。向かいのホテルだ。
 (さすがU.K.ね。)
などと感心している間もなく、周りは椅子取りゲームの様相を呈してきた。
さっさと近くのテーブルに陣取り、たっぷりとミルクを入れたティーを味わう。
お茶を飲み、落ち着いてくると、みんな一様にしゃべりだした。
私と一緒のテーブルに座ったのは、アメリカから観光に来た中年夫婦だった。
「いやまぁ、まったく驚いたわねぇ」
妻が口火を切る。
「知り合いとおしゃべりしてて戻ってきたらこれでしょう。びっくりしたわぁ」
「おれなんかシャワー浴びたとこだったんだ」
と旦那。
「あなた、日本人?」
「はぁ。そです。今日、着いたとこだったんで、疲れて寝てました。」
「んまぁ〜かわいそうにぃ。びっくりしたでしょう。」
「はぁ。」
彼女は、機関銃のように話し出した。
キョウトには観光で行ったこと、家はカンザスにあること。牧場をしていること。
隣の家とは何キロも離れているようなところだとか。家族のこととか。
そのころには、私は、もはや火事の興奮からも放たれ、
すっかりねむねむモードに戻りつつあった。
大学時代のLTの授業のように、彼女の声がだんだん遠くなっていく...。

居眠っちゃぁいないよ。

ようやく火事はおさまり、ホテルに戻れることになった。
火事場泥棒にも合わず、レコードは無事だった。
 (まさか、もう、ないよな)
と思いつつ、次の瞬間には、どっぷりと眠りの中に落ちていった。




ホテルのすぐそばケンジントン・パークから
どんどん歩くとハイドパーク

その果てがここ 処刑場だったんだけど..


Marble Arch

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